忍者ブログ
二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
[11]  [10]  [9]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2]  [1
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

お題SSその3。


03. ほんの少しだけ、変わる







ただの乱暴者だろうかと思っていたのだが。
意外と女慣れしているのではないかと気がつく。
色恋という意味ではなく、そもそも女性という存在に対し、遠慮がない。

ぐらり、と傾いだ少女の体。その頭の落下点を予測して大きな掌が差し出されている。無造作だが乱暴ではない手つきは、少女の眠りを遮ることなくそのまま細い体を持ち上げていた。
とりあえず女の子相手に荷物持ちは如何なものかと。否、先にいくらちょっと年が若すぎるとは言え仮にも異性に触れるのに恥じらいや気遣いがなさ過ぎでは、と言ったほうがいいのか。
自分は女性の扱いというのはもっと丁重にすべきではないだろうかと思うし、旅の同行者である少年はといえば紳士的だが実に初々しい反応をする。
が、彼はたとえ目の前に美女がいたとしても、興味よりも先に警戒と検分が働く。目が物騒に輝くのが強敵と対峙した時だけだという根っからの戦闘専門職。
そのくせ、大剣を振るう腕は少女を傷つけることはない。当初は我関せず、と傍観を決め込んでいた少年を突き放しきってしまうことはけしてない。
無骨な指が律儀に食器を片付けるのを見たときは、予想外のあまり自分はきょとんとしていたと思う。(何アホ面さらしてんだ、と言われたことは忘れていない)

あまりに自分とは違いすぎる彼には意外なことが多すぎて、次はどんな反応をするのかと楽しみにしている。
そのアンバランスさが妙に可笑しくて、反面、しっくりくるなあ、とも思えてしまう。
(一体どんな環境で育ってきたんだろうね)
ふふ、と唇が緩む。
「甘い」と散々文句を言った口が綺麗に平らげた皿。そのふちを布巾できゅっと擦った。



堕ちてゆく七題
capriccio(http://yucca.b7m.net/capriccio/index.htm

PR
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新記事
ブログ内検索
管理人
HN:
仮名
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
成人。
みかんの国出身。
エネルギー源は酒。
忍者ブログ [PR]