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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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堀鐔小話です。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。








二日酔いだ、と思った。
頭がぐらぐらして、目の前の世界が回っている。ひどく胸がムカムカして、起き上がれない。
せめて水でも飲もう、と無理やり体を起こしたところで足は体重を支えきれず、床に盛大に倒れこんだ。
ああ、このまま死んじゃうのかな、とやたらに弱気になってじわ、と瞳の端に涙が浮かぶ。
おかしい。二日酔い程度で何をそんなに感傷に浸りやすくなってしまっているのか。
妙にさびしい気持ちでぎゅっと目を閉じたファイの耳に、がちゃりと部屋の扉の開く音が聞こえた。
 

「あほか。お前のそれは夏風邪だ」

床の伸びた体を隣室の体育教師に回収され、無事にベッドへと体を横たえることが出来たファイはそうか、と納得した。
あの体中の倦怠感も不調も理由のない寂しさも、すべて風邪の症状だったのだ。
「…黒様」
「寝とけ。どうせ近場の病院も休みだ」
「黒様が来てくれて良かったぁ」
「おう」
「ありがとー」
体育教師にくしゃりと頭を撫でられて、それに安堵したファイは今度はゆっくりと瞳を閉ざした。

休日の昼間の来襲のない不気味さに逆に不安になった、とはさすがに病人相手には言わないのは体育教師の良心だ。



 

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