覚えてきたこと

永住特殊設定小話です。

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では下からどうぞ。

新しい領主がたってから、諏倭の地は驚くほどの早さで豊かになっていった。
ことに小さな子どもが命を落とす数が他の土地と比べるとはるかに少ない。

当然帝の耳にも姫巫女の耳にも入り、黒鋼は白鷺城に呼びつけられた。


「特にたいしたことはしてねえよ。ただ…」
「ただ？」
「他所で知ったことや聞いたことを取り入れるかっつーことでいくつか試したことはあるな。
産まれて一年経たない間は蜂蜜をやらねえとか、熱が出たら湯冷ましに塩と水飴を入れるとか」
「まあ。ならば早くお言いなさいまし」
「だから、調べたのは俺じゃなくてあいつだ」
「…黒鋼」
「んだよ」
「愛されておりますわねえ」