年の瀬の買い物

日本国永住小話です。

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では下からどうぞ。

男所帯とはいっても新年となればそれなりの準備が必要だ。黒鋼とファイは連れ出って歳の市に出かけた。
出かけたのだが。



「なんであちこちをお前はふらふらしてんだ！」
「だってー。面白そうなのがいっぱいー」

しゃがみこんだ先には磁器が並んでいる。ひときわ美しい青磁が気に入ったらしい。

あまり物に執着することのないファイの珍しい姿に、黒鋼は溜め息ひとつ落とすと懐から財布を取り出した。


散々値切った末に購入したそれが、名のある窯の幻の名品だと教えられたのは後日のことだ。