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あけましておめでとうございます。
明日から仕事です。
幸いなことに一月は休みが纏まっているので更新とか就職活動とか、頑張ります。
その前に、弟と父親が新型インフルエンザだったのでうつらないようにしないと…。
今日は大人しく体力回復につとめて飲んだくれます。
シャンパンとスパークリングワインが私を待っている。たまの贅沢、二日酔いにならない程度に飲みます。
昨年は色々な方を出会う機会があり、オタク的には大変充実した年でした。
拙い作品ではありますが、今年も新しいお話を皆様のお目にかけていけるようにしたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。
拍手ありがとうございます。
では下からどうぞ。
行儀よく手を揃えて、双子がぺこりと頭を下げた。
「「あけましておめでとうございます」」
黒鋼も同じように紋切り型の口上を述べれば、後は子どもにとっては楽しいだけの休みだ。
「おめでとうございます」
にこにこと笑いながら黒鋼の母親が子どもたちの分の餅を焼いて皿に乗せてくる。
黄粉と砂糖醤油の二種類の味付けに双子は目を輝かせた。
勢い良く手を伸ばそうとして、はたと自分たちの今の格好に気がつく。
二人とも、揃いの吉祥柄の赤い着物を着ていた。
黒鋼の母親のお手製で、世界で二人だけの物だ。
黄粉を零してしまうと、凄く困る。お醤油を落っことしてしまうのも、凄く嫌だ。
脱ぐのは、もっと嫌だ。せっかくの新年の晴れ着なのに。
むう、と眉を寄せて思案顔の二人に、海苔で巻いた餅に一足早くかぶりついていた黒鋼が気がつく。
もぐもぐと口の中に物を入れたままの状態はちょっと行儀が悪いと自分でも思ったが、ファイとユゥイをそのまま放っておけず、飲み込むにはまだいささか大きな餅と格闘しながらナプキン代わりのタオルを取ってきた。
「黒たん、ありがとう」
「ありがとーv」
着物が汚れないようにタオルで覆ったファイとユゥイは嬉しそうに柔らかな餅へと手を伸ばす。
朝から、(なんで母上はこいつらに女の子用の着物を着せるんだろう)と疑問に思っていた黒鋼だったが、ここまで大事にされるなら着物も母上も嬉しいんだろうな、と思って深く追求することを止めた。
着ている物が女児用の晴れ着でも、大事にされているのも、双子が嬉しそうなのも変わりはない。
そう結論付けて、黄粉をまぶした餅を口に運ぶ。勿論ぱらぱらと落ちてきそうな黄粉には細心の注意を払いながら。
柔らかくて美味しいので、自然と笑みが零れた。
目の前で同じようにして零してしまわないように少しずつ餅を食べている双子の顔も幸せそうに微笑んでいたので、根拠はなかったが多分今年もいい年になるのだと思った。