忍者ブログ
二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
[299]  [298]  [297]  [296]  [295]  [294]  [293]  [292]  [291]  [290]  [289
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

生存欲求枯渇気味ファイ設定の大学生パラレルです。
以前からかなり間が開きました。が、まだまだ書きたいです。

分類したので以前よりは探しやすいとはいえ、毎度毎度分かりづらい不親切ブログですみません…。

今日はお休みだったのでお昼ご飯は祖母ちゃんと父とラーメン食べに行きました。
激辛高菜ラーメンを頼んだのですが、スープがどろりとするくらい唐辛子粉が入ってました。
道理で店員さんが「ほんっとうに辛いですよ!」と念押ししていくはずです。
涙が出るかと思いましたが、それ以上に鼻水が出て食べ辛かった…。
麺が少ない上に高菜がねえ、唐辛子を巻き取って口の中に入ってくるんですよ。久々に辛くてしんどい、という感覚を味わいました。

完食はしました。残すなんて勿体無い!
あれだけ唐辛子たっぷりだったので、腹は大丈夫かと親に心配されましたが、食欲はすこぶる快調です。
むしろ刺激されて食欲出てます。
仕事のある日は刺激物とか匂いのあるもの食べられないから辛いです…。
父と二人で残念だったのは、唐辛子が国産らしく甘味や旨味が全然なくて辛いだけだった、ということでしょうか。
辛くて美味しいラーメンは辛い以外の味も伝わるのですが、今日のは辛いだけだったので残念。


いつも拍手ありがとうございます。
いただいたコメントに励まされてます。


では下からどうぞ。












学食で人気のランチプレートにはメインと付け合せの野菜やサラダ、果物の他に、小さなパンが二つとスープがついてくる。
今日のスープは南瓜のポタージュ。メインは鶏胸肉のグリルで、良くきいた粒胡椒とレモンの風味がさっぱりとしている。
パンは焼きたてでまだ温かい。パリッと焼きあがった狐色を割れば、内側からはふんわり仄かに小麦の甘みが香る。
この大学、大学院の女子学生に圧倒的な人気を誇るそのセットは、量やカロリー自体は少なめに作られてあるが、彩と栄養への気の配り具合も同じくらいに見事である。
一日限定50皿。
それが何故、今ファイの目の前に並べられているのか。

「食わねえのか」
「…いや、食べるけど」

横に座った年下の男。その逞しい体躯と鋭い眼つきとが相まって、初見では思わず人を萎縮させてしまいがちなのだが、その腕が案外丁寧な手つきで触れてくることをファイはもう知っている。
いただきます、と律儀に手を合わせてスープを嚥下するファイを見て、ようやく男も箸を運んだ。
男の目の前には中華丼と味噌汁。いつも食べる量から考えるとそれだけでは足りそうもないのだが。

昨日はなんだかすっかり食欲ややる気というものが消え失せてしまって、いつもなら重箱まがいに大き目の弁当箱にぎっしりと詰め込んでくる昼食が今日はなかった。
当然、いつもいつも半ば相手の空腹につけこむ様にして強引にその昼食につき合わせていた相手には訝しがられ、そのまま学食に引きずって来られた。
椅子に座らされ、彼の荷物の番を言われた数分後にはその両手に自分とファイの分、二人分の昼食を持って彼が帰ってきたのだ。

「黒みょんったら強引~」
付け合せのブロッコリーをフォークでつつきながらファイが茶化すと、食い物で遊ぶな、と声が返された。
(真面目だなあ)

本当は知っている。
真面目なのも。優しいのも。
普段の彼なら絶対目に入れるはずもないランチプレートは、もともと食が細いファイが少しでも口にしやすい果物や野菜が多いから。
栄養バランスの良いものだから、一種類を一口ずつでも口に入れさえすれば、ある程度の栄養が取れるだろうと踏んでのことだということ。
それでもファイの食欲が湧かなくて、残してしまったら自分が片付けてしまえばいいと黒鋼が自分の食事は少なめに取ってあること。

(…どうしよう)

黒鋼とファイの関係を一口に片付けてしまうには少々困難だ。
もう既に片手では足りないくらい、体の関係は結んだ。けれど恋人という確約があるわけでなく、どちらも何も言っていない。
友人、というには何か欠けている。
けれど、気遣いや労りがけしてないわけではなくて。

(一番近いのって…やっぱり『セフレ』?)

黒鋼にどういうつもりがあってのことかを聞いたことはない。聞く必要がないとも思っていた。
昨日までは。


校舎の窓から不意に目に入った光景。
よほど親しいのか、黒鋼に臆する様子もなく気さくに話しかけていた女子生徒の姿。
適当にあしらいながらも飽きることなく相手をする黒鋼の姿。
恋人だと確定したわけではない、ただの知り合いであるだけかもしれない。ただ、二人のその距離にファイは自分でも信じられないくらいに衝撃を受けていた。


自分の部屋の中で、レポートと資料に埋もれてさえいればそんな光景は頭の中から追い払ってしまえる。
ひたすらに数式と文字を追いかければファイの平穏は保たれた。

それでも、喉が渇いて水を飲みにキッチンに立った瞬間黒鋼は何を作ったら喜んでくれるだろうか、と頭をよぎったのに自分で驚き、それに相反するようにどんどんと自分の食欲も料理の興味も遠ざかっていって、どうすることも出来ずにその場に立ち尽くしていた。

いつの間にか、誰かが心の中にいた。

結局、それ以上考えることが怖くて冷蔵庫が開けられないまま、今日は手ぶらで出てきてしまった。
なのに黒鋼ときたら、今日は作ってきてないんだ~ごめんね~、と誤魔化そうとしたファイの手を躊躇うことなく取り、こうして並んで座っている。




「黒たん」
「妙な呼び方すんなって言ってんだろうが」
「今日うちにおいでー。お昼ごはん奢ってもらっちゃったから晩御飯はオレがご馳走するねー」
にへら、と笑った顔は多分いつもの自分だった。


(どうしようか)

胸の中にぐるぐると渦巻く何かが重くのしかかる。
痛くて苦しくて悲しくて切なくて、甘い。

(君が好きだよ)

こんな感情が自分の中にあるなんて、知らなかった。


 

PR
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新記事
ブログ内検索
管理人
HN:
仮名
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
成人。
みかんの国出身。
エネルギー源は酒。
忍者ブログ [PR]