使い慣れた寝具

堀鐔小話です。

今年も今日と明日の二日だけになりました。
…早く休みたい。

年明けは２日から仕事です。
当分バタバタします。
一足早いですが、皆様良いお年を。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。

化学教師がふらついていた。
どうやら眠気が極限を迎えているらしく、瞼を擦っていた。
廊下を右に左にと危なっかしいことこの上ない。
そのくせ、妙に器用に障害物を避けていく。

けれどハラハラしながら見守る生徒の前で、とうとう障害物に真正面からぶつかった。

「痛…い？くない…？」
「理解出来る言葉を喋れ」
障害物、もとい体育教師が言った。

「ねむい…黒様、まくら……これでいーや…」

聞いているのかいないのか。
十中八九聞いていないであろう化学教師が器用に立ったまま寝息をたて始めたのに気付いた黒鋼は、がっくりと肩を落とした。
化学教師の腕はいつの間にかしっかりと体育教師の背中を掴んでいた。