二次創作中心ブログ。
ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。
妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。
同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。
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堀鐔小話。侑子先生と黒鋼先生。
ファイ先生はストーカーではないにしてもちょっと愛情表現が誇大すぎると思います。
下からどうぞ。
「黒るー、愛してるよーv」
「アホかぁっ!!!」
「今日もまた熱烈な愛の告白だったわねえ」
思春期の生徒を指導する教育者としてその格好は如何なものかと、突っ込みたくなる露出の多い服を纏いながらも、下品な厭らしさを一切匂わせない美貌の理事長・壱原侑子は熱い緑茶に優雅に口をつける。
体育教官室に当然のような顔をして居座っているが、無論彼女は体育担当ではないし、この部屋での仕事があるわけではない。
それなのに金髪碧眼の化学教師ともども、体育教官室に出没する確率が高いのは、ひとえに強面の体育教師の淹れるお茶が美味だという意外な事実による。
例によって本日も居座る理事長に渋々給仕をしながらも、ジャージ姿の体育教師の眉間から皺が消えることはない。
生徒の行き交う休み時間の廊下。化学教師に大声で愛を叫ばれた挙句に、上司からは「お熱いのねえ」といらぬ野次までもらっては、当然だ。
「面白がってる場合かよ。
上司ならあのネジのゆるんだ馬鹿に言って聞かせろ。場をわきまえない冗談を大声でわめくんじゃねえって」
「違うでしょう?」
「ああ?」
「貴方が困ってるのはファイ先生の『愛してる』が本当だから」
一体誰が呼び出したのものか。魔女、というのが彼女の徒名。事実瞳は笑みを形作っているのに、気おされるような空気が逃げることすら許さない。
「俺がすぐに頭に血がのぼるのが面白いから、俺をからかうためのあいつのいつもの冗談だろ」
「ええ、そうね」
あっさりと肯定する侑子に黒鋼の方が驚く。もっと揶揄いのネタとして引きずるかと思っていたのだが。
「『愛してる』の言葉は冗談かもしれない」
でも、と赤い唇がにこりと笑みの形に歪められる。
「そこに込められた心は本当。だからこそ困っているんでしょう、黒鋼先生?」
貴方はもうとっくに分かっているでしょう?
魔女の心の奥底まで見透かす瞳の色に、黒鋼から否定の言葉は出なかった。けして認めたくはないのに。
そう思うことが既に認めてしまっているのだということに、この時はまだ気づきはしなかった。
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