遺伝子

四月馬鹿シリーズ小話です。

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では下からどうぞ。

四月一日は偶然スーパーで子どもを抱えたファイを見かけた。
魚の特売日だったので黒鋼の好物でも作るつもりだったのだろう。
ベビーカーの中でもぞもぞ動いていた息子が、四月一日に気がつくと嬉しそうに声を上げる。
つられて顔を上げたファイも四月一日に気がついた。

「わー。随分大きくなりましたね」
「黒様に似たんだと思うよー。すぐに体が大きくなるから、服もころころ変わっちゃうんだー」
「元気でいいじゃないですか」
「イタズラばっかりして困るよー。
ベビーカーに乗せてもいつの間にか自分でベルトを外して脱走しちゃうし、気がついたらパソコンの保護機能を解除しちゃってるしー」
「…まだ一歳ですよね」
「うんー。本当イタズラで困っちゃうー」
「…」

間違いなくこの両親の子どもだな、と四月一日は思った。