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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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特殊設定永住小話です。
弟姫表記は乙姫と迷ったけれど、まあよかろうと…。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。






諏倭の領主が魔物討伐から帰ってくると、館の入口には侍女や兵の姿とは明らかに違う大小四つの影がある。
その姿に言い知れぬ安堵を感じた領主の寝る間も惜しんでの討伐からの帰還に、小さい影たちは何とも無慈悲な言葉を投げつける。

「おひげ、やー!」
「ごしょごしょすゆの、やー!」
「父上、おひげ剃ってきてー」

魔物討伐に出向いた先で身なりなど気にする余裕などありはしない。
歯をみがいたり、顔を洗ったりが精々で、およそ髭など整える間などありはしない。
黒鋼の顎に生えた不精髭はいたく子どもたちに不評だった。
ざらざらしていて痛いらしい。

思わずため息が溢れそうな黒鋼の耳に、聞き慣れた柔らかな音が飛び込んでくる。
「ふーん。うちのチビさんたちは父上のお髭が嫌なんだー。でもオレはお髭も含めて黒様が大好きだからー…」

ぽすん、と軽やかな音をたてて黒鋼の腕に細い体が収まった。

「えへへー。息子君にも大姫にも弟姫にもあげなーい。オレの独り占めー」
大人気ない、と言うつもりなどみじんもなく、黒鋼は妻と呼んで久しい相手の体を抱きしめかえした。

柔らかな体の後ろから、「ずるい」と口々に抗議の声があがった。



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