世界の片隅の奇妙な出会い･二十七

苦労人忍者の子育て話。

気圧の変化か、頭痛がひどいです。
頑張るんだ、自分。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。

非番だったので黒鋼は双子を連れて城下町をぶらつくことにした。
このところ何かとせわしなく、気がつくといつも二人に家で留守番を強いていたような気がする。
文句一つも言わないが、こうしてどこかに連れて行ってもらえる、と聞いた途端に顔を輝かせるのだから幼いなりに我慢していたのだろう。
嬉しそうにされて黒鋼も悪い気はしない。

きょろきょろと店を珍しそうに覗きながら歩く。飴細工を嬉しそうに頬張る二人の歩みが遅れがちになるのを、黒鋼は手をひいてはぐれないようにした。

手をひいた子どもの頭は黒鋼よりも随分と下にあった。
だから黒鋼は、双子が今までよりももっと嬉しそうに笑ったのを知らない。