興味なし

日本国永住特殊設定小話です。

拍手ありがとうございます。
今ちょっとメンテナンス中みたいですね。


では下からどうぞ。

一国の領主の館に仕える者はそれなりに素性が明らかな者である。村や里の長者の身内やら縁者であることが多い。
素性の確かな保証であるとともに、領主の館に仕えるということはその者の行儀見習いの一環でもあるわけだ。
更に、うら若き女子ともなればそれにもっと別の狙いがある。
領主の手付き、側室である。

正妻でなくとも跡取りを産み落とせばその地位は揺るぎない。
ゆくゆくは一国の領主の生母として安泰な生活を送ることがかなうのだ。その縁者も然り。
そのために、諏倭領主であるところの黒鋼のもとへも毎月多くの行儀見習い希望の若い女たちがいずれかの伝手で顔を見せに現れる。

だが、側室を、と薦める声に諏倭の領主の返事はにべもない。


「十年たてば奥より皺くちゃになる女に興味はない」