世界の片隅の奇妙な出会い･二十八

忍者子育て苦労話です。


大型連休なにそれ美味しいの。ゴールデンウィークなんて皆引き籠ればいいんだ。そんな勢いで仕事です。


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では下からどうぞ。

「黒様、黒様。あれなあに？」
ファイが黒鋼の袖を背伸びして、くいくいと引く。
ユゥイにつられて組紐を覗きこんでいた黒鋼がそちらへと顔を向けると、年若い父親が子どもを肩車しているところだった。

羨ましいのだろうかと思った。
けれどすぐにそうでないのだと知る。
ファイの顔もユゥイの顔も、肩車やそんな親子の関係さえ分からぬようにきょとりと不思議そうだった。
妬くことすら出来ぬほど、この子どもたちは肉親から遠ざけられて生きてきた。
黒鋼の唇がギュッと引き結ばれる。


「大人しくつかまってろよ」
そう言うと、幼い二人の答えなど待たずに小さな体をそれぞれ両肩に担ぎ上げた。
「わあっ！」と歓声があがるのに、何故か黒鋼の胸には苦い物が満ちた。