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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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僕だけのかみさまの続きです。

ああ、明日から地獄のGWです。

ちなみに昨日の姉弟の会話。
弟「GWって何」
姉「『行楽シーズン』と銘打った旅行会社の思惑に乗せられた長期休暇取得者のために一部サービス業の人間が悲鳴をあげる期間」
弟「俺ら全然ゴールデンじゃないよ」
姉「むしろグレー?ブラック?」

我が家は私も弟もサービス業なので世間一般の長期休暇の時期になると「年末年始?お盆?GW?もういっそ皆引きこもれ行楽シーズンなんぞ知るか!」と毒づいています。
GWは二人とも1週間以上休み無いです。
…テーマパークのニュースとかみると本気で荒むよ。この仕事から得たお金で生活しているとはいえ。
もう不景気だから皆家で過ごそうよ…。

ああ、でもオタク経済は活性化の一途だしなあ。オタクは日本で唯一ビッグサイトの使用料金をキャッシュで払う団体だもんね。
イベント行きたいなあ…。

まあここまで勤務日程がきついのは、ひとえにうちの上司のシフトの組み方がおかしいせいなんですが。
どこの部の人間に聞かせても「ありえねえ」の一言が返るような日程で勤務組むから…。
うちよりも忙しいところでも一人一人の過剰な負担を防ぐためにそれなりな日程たてているのにねー。
おまけに腰痛再発しかけてるから辛い…。

泣き言でごめんなさい。
皆様イベント楽しんできてください。


では下からどうぞー。







酔っ払いの泣き言は正直大変鬱陶しい。
「えーん、黒様に嫌われた~!ちょっとお試しでキスしただけなのに~!!」
「うるせえ」
閉店後も店のソファでうだうだと酔っ払い特有の出口の見えない主張を繰り返すファイに、黒鋼はにべも無い。
大体男相手にいきなり本格的なキスを仕掛けられて喜ぶ男がいるわけがない。今のファイに言っても無駄だろうと思うが。
「やっぱり怒ってるー。オレ嫌われちゃったんだ~」
肯定も否定もしかねて大きくため息をつくしかない黒鋼を見咎めたファイが、珍しくむっとした顔でソファの上に起き上がる。
「大体黒様が悪いのにー!」
「俺のどこがだ」
「黒様が優しくしてくれるから~、それで満足しちゃってオレ最近ずーっと恋人いないんだよー。でも恋人いないとキスもセックスも無しだし、ぎゅーってハグも無いしー」
どんな主張だと突っ込みたいが、おそらくまともな返答は期待できそうにない。
既に他の店のスタッフはというとファイを宥めることを放棄して遠巻きにこちらの様子を窺っている状態だ。
「ちょっとつまみ食いのキスくらいいいじゃない~。にゃんこに引っかかれたとでも思って」
「どこが『キスくらい』だ!」
青筋を立てて怒鳴りつけられるのにも動じないで、ファイはソファの上で丸まってひたすらに「黒様のケチー」とぶつぶつ呟いた。
「ご飯も一緒に食べるんだし、お仕事も今は一緒なんだからちょっとくらい良いじゃないー」
「良くねえよ」
「…やっぱり黒様オレのこと嫌いなんだ~!オレには黒様しかいないのに~!」
「おいこら…どう聞いても誤解を招くための発言じゃねえか」
そういってソファに陣取っているファイのせいで、そのテーブルだけ片づけが進められない。やむなく黒鋼は舌打ちするとファイを強引に肩に担ぎ上げた。
世界が急にぐるりと回転したファイが、ほえ、と間抜けな声を漏らす。
「いい加減帰るぞ。明日も仕事だろうが。さっさと寝て頭冷やせ」
眉間に皺を寄せたまま自分を抱き上げた男の顔を覗き込むと、ファイは振り落とされないようにぎゅっと黒鋼に抱きついた。
怒っていても、自分の職分は忘れないし責任を放棄することはない。ファイを見捨てることもしない。
「…やっぱり黒様が優しいのが悪いんだと思う」
そうしてポツンと呟いたファイの声が妙に寂しそうで、黒鋼をどうしようもなく放っておけない気分にさせる。
寂しいのか、と黒鋼はファイに聞いてみたくなった。
きっと恋愛とは別の、もっと根源的なものに飢えているように思えた。

贅沢な、と敬遠していたタクシーを使わざるを得ないのは、毎夜毎夜アルコールを摂取するファイを連れて帰らなければいけないからだ。
あれだけ大騒ぎしていたファイは、後部座席に座った途端に黒鋼の肩に頭を預けてすやすやと寝息を立てている。
こうして黙ってさえいれば確かに目鼻立ちは整っていて悪くない。いかにも女受けの良さそうな顔だと感じた。
寝息を零す薄い色の唇が眼に入る。
不意に口付けた記憶が生々しく蘇った。

頬をくすぐる金色の髪とかすかな吐息。衣服越しの低い体温。
猫のように細められた蒼の瞳は凄艶なまでに彩られていた。

「…馬鹿馬鹿しい」
黒鋼は頭を振って湧き上がる不埒な考えを消し去ろうとする。
身じろいだ黒鋼の肩から落ちかけたのか、ファイが小さく唸りながらまた頭を持たせかけた。
黒鋼はいい加減起きろ、と声をかけようとする。
けれど、安らかなその寝顔に何となく毒気を抜かれて、家に着くまでの間黒鋼はファイに肩をかしてやっていた。

 

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