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友人と言われるまで気がつきませんでした。
猫はもともと寝子と書いたことに由来するとかなんとか。
というわけで突貫小話おいていきます。
突っ込みどころは多々あるのでいつかちょっと書き足したいです。
「うふふふふふーv」
「にゃーv」
「にゃーv」
「「……」」
新たな世界。文明の進んだこの地は穏やかで、前の世界での持ち物を金銭に変えれば当面の生活に困ることはなかった。
情報収集へ出た黒鋼と小狼が、一通りの調査を終えて借家に戻る。眠りについていたサクラについて留守番をかって出たファイとモコナが待っているはずだったのだが…。
「黒たんだー、小狼くんもおかえりにゃさーいv」
「にゃーv」
「小狼ー!黒鋼-!おかえりのちゅーなのーv」
出迎えは桜都国の再現のような――典型的な酔っ払いの出来上がりだった。
唯一の救いは、今回少年が素面だったことで、比較的早く酔っ払いたちを捕獲することに成功した。…慣れてきただけなのかもしれないが。
にゃーにゃーとひとしきり騒いだあとはこてん、と眠ってしまったサクラを少年にまかせ、黒鋼は大きい方の荷物を片付けることにする。
厄介なことにこちらはまだ意識があり、時折「にゃーv」と調子っぱずれの歌まで歌っている。
抱き上げると抵抗はされなかったので、それぞれに割り振った寝台に放り投げた。
「ちゅーしよぉ」
にこにこと両手を広げて誘う魔術師にため息が出てくる。
基本的に黒鋼と一晩飲み明かせるほどに酒に強いのだ。これはおそらく酒との相性の問題。飲みなれていない酒の回りは本人が想像する以上に早い。強いと自覚があればこそ余計油断していたのかもしれないが。
「にゃーv黒たん、ちゅー」
「阿呆か、寝ろ」
酔っ払いの戯言をまともに取り上げていたらキリがない。
無視する気満々の黒鋼にファイはべそべそと泣きまねをしてみせる。
「えーん、黒様がちゅーしてくんないー。モコナのちゅーは受け入れたのにぃー。ひーどーいー、オレとのあーんなことやそーんなことは全部あそびだったんだー」
「るっせえ!黙って寝ろ!」
「オレは黒ぴーとちゅーがしたいの」
さすがに人聞きの悪い発言に黒鋼が怒鳴ったが、酔っ払いが人の話を聞くわけがない。構ってもらえて、笑顔が2割り増し。
「じゃあねぇ」
大人のちゅーしよっかぁ。
するり、としなやかに腕が首に回される。アルコールで熱を帯びた吐息は簡単に夜の行為を連想させた。
触れ合わせるだけの唇。舌がその表面だけを挑発するように舐めていく。間近に覗く瞳が酒とは別の熱に蕩けている。
「これも『寝る』だよねぇ」
「…この性悪猫が」
「にゃーお」
青い目を細めて、猫が舌なめずりをした。