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これを逃すと次の休みがいつか分からない!そんな月末の休日。
落ち着かない職場です…。
何故かここ数日新規の方が多いみたいでドキドキしてます。
少しでも気に入っていただけるといいなー、と思ってます。
ただ、中には少々引っかかるアクセスがあるので…。
うーん、私の考えすぎだといいんですけど。
拍手押してくださった方、ありがとうございました。
どうもタイトルをつけるのが苦手です。閃いたときはつけられるのですが、凡人なのでそうそう閃きもありません。
続きから堀鐔2の文化祭後妄想短編です。
余談ですが、ファイはガーターベルトつけているのだろうか…、そんな妄想がリピート。
理事長の提案と、本気か悪ノリか、喜々として自らメイド服を着込んでいた同僚に振り回された文化祭は、どうにか無事に終了した。
…したと思いたい。
「はあい、メイドさんっぽく晩御飯はオムライスでーす」
「着替えろ」
文化祭の最後の盛り上がりを終えた校舎は昼の姿とは変わり、その巨大な体内はがらんと静けさで満ちている。
祭りの片付け後の見回りはいつも以上に遅い時間で、今まで目に馴染んで記憶していた風景よりも暗がりに落ちる影が深い。
昼間の喧騒を思い出しながら、手元の懐中電灯を頼りに見回りを終えた黒鋼は宿直室の扉を開けた。
そして冒頭に戻る。
校舎の反対側を回っていたはずの化学教師がまたぞろメイド服を着用していた。
がっくりと頭を落とし、肺から大きな息を吐く。
この化学教師と出会ってから自分のため息の量は確実に増えていると黒鋼は思った。
「ため息ばっかりつくと幸せが逃げちゃうよぉ」
「誰が逃がしてると思ってんだ」
ため息をついた途端、忘れていた疲れと空腹が同時に襲ってきて、今更ながらに慌しい一日だったことを自覚する。
首を回しながら腹減った、とぼやくとふんわりと裾の長いスカートを揺らしながらファイが宿直室の机の上を即席の食卓に整える。
だが、昼間と同じくふざけた格好といい、明らかに悪ノリの延長のメニューといい、どう見ても半ば嫌がらせに近い。
「はい、オムライス。ケチャップでハートかいたげるーvそれとも黒たんLOVEの方がいい?」
「いらん。どっかで…」
「だって学食は閉まってるしお店ももう終ってる時間でしょー」
「…コンビニ行ってくる」
にっこりと。
ファイの人好きのする笑顔を、皆は親しみやすい教師だと評する。だがしかし、他の人間よりもほんの僅かにせよ、ファイに近い場所にいる黒鋼には食えない笑顔にしか見えない。
「あのね、今日の宿直は君とオレの二人。職務放棄はだーめ」
一応の正論。
それでも、躊躇する黒鋼の腕を逃がすまいとファイは両腕でがっしりと抱きつく。
「せっかく作ったのにー。まだ温かいんだよー」
料理の腕の良さは隣室のよしみで何度か相伴に預かった経験から知っている。
それを知ってなおかつ黒鋼が躊躇しているのは、自分に好意を寄せていると公言して憚らない相手の真意を勘繰ってしまうから。
そうして自分に好意がある相手だからといってそこに甘えていいものかと律する自分がいる。そういう生真面目さが好きなのだとファイは思っているのだが。
なかなか是と答えない黒鋼に痺れを切らしたようにファイがむう、と眉を寄せる。
「黒様、食べ物粗末にしちゃいけませんー」
本日一番の正論。
幼少時より両親にきちんと躾けられた我が身が若干恨めしい。
零されたため息は了承の合図に他ならなかった。
「黒様市販のケチャップの甘すぎるから嫌いでしょ、スパイス入れてちょっと調整してみましたー」
どうかな、と珍しく遠慮がちに上目使いの蒼い瞳が聞いてくる。
いっそそんな気遣いが一切ない、本当に揶揄うためだけだったら断りきれるのに。
そう思いながら一口また一口、口へと運ばれるスプーンの速度は鈍らない。