二次創作中心ブログ。
ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。
妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。
同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。
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堀鐔。
双子に振り回される体育教師。
…不運にも双子に懐かれてしまった体育教師?
こたつは外国の人が日本にきて大好きになってしまう家具らしいですね。
きっとファイも最初に大騒ぎしたに違いありません。
んでうっかり寝入って黒鋼に「風邪ひく」って怒られるんですよ、きっと。
堀鐔。
双子に振り回される体育教師。
…不運にも双子に懐かれてしまった体育教師?
こたつは外国の人が日本にきて大好きになってしまう家具らしいですね。
きっとファイも最初に大騒ぎしたに違いありません。
んでうっかり寝入って黒鋼に「風邪ひく」って怒られるんですよ、きっと。
確かにかけたはずの鍵が何故か開錠されていた。
不本意かつ不用心だがこの職員宿舎に入るまでのセキュリティを考えれば差し当たり犯罪の可能性は少ないだろう。
目下のところ問題は空き巣よりも厄介な不法侵入者だ。
苛立たしげに舌打ちをする。眉間の皺はいつもより三割増しだ。
中にいる人間にそれと分かるように、わざと乱暴な音をたてて扉を開けた。
「あ、黒りんおかえりなさいー。今日はね、鮭とエリンギのドリアだってー」
「何でお前が俺の部屋に居座ってんだよ!」
不法侵入者は我が物顔でこたつを陣取っていた。
空腹を自覚させるようないい匂いが漂っている。
「黒鋼先生おかえりなさい。お疲れさまです」
「…またお前もか」
不法侵入者その2。侵入者その1とまったく同じ顔の彼はキッチンから出来上がったばかりの夕飯を運ぼうとしていた。
食器を取り出す手すら何故かやけに手慣れているような気がするのは、彼が元は本職の料理人だったという理由ではなく、慣れてしまうほどこの部屋のキッチンを使用しただけである。
基本的に備え付けは一緒とはいえ、他人の生活空間として配されたものが使いやすいとはお世辞にも言い難い。が、おそらく部屋の本来の住人よりも使い勝手は熟知している。
無論、彼ら二人ともそれぞれ部屋は別に割り当てられているのだが。
そう、それは昨年。年の瀬のある夜。学期は修了したとはいえ、補講に部活の監督に(ついでに理事長主催クリスマス会・忘年会という名の飲み会)とかえってやることが多いのではないかというスケジュールを課せられた黒鋼は重い体を引きずって家路についた。
鍛えてあるとはいえ疲労の蓄積は別物とみえて、珍しくやる気がわかないでいる。
常ならば施錠の出来ていない自室を看過するはずもないのだが、それすら気にも留めないまま疲れた体で扉をくぐった。
「おかえりなさーい、黒様」
「ああ?」
あの日も不法侵入者(当時初犯)たちは当たり前のようにこたつに入って出迎えの言葉を黒鋼にかけた。
ちなみに「残業続きでお疲れの黒ぴーのために今日は出張料理人さんのサービスでーす」と用意された鍋は文句なしに旨かった。
今冷静に思えば、あの時きちんと叩き出しておけば良かったのだ。
かいがいしく黒鋼の面倒をみたがるファイや「和食のダシは初めてだったんですけど…」というユゥイにほだされたりしてはいけなかった。
あの時の疲弊した頭と空腹だった身体が心底恨めしい。
そういえばどうやって自分の部屋に入ったのかと問い詰める頃には、二人ともすっかり他人の部屋に馴染みまくっていたのだから。
ついでに
「一人暮らしでお仕事も大変な黒様に美味しいご飯食べさせてあげたいんですー」
の一言でマスターキーを貸出す理事長も理事長だった。
宿舎は一人暮らしには充分なスペースの住居が与えられているとはいえ、男三人が動き回るには狭い。
「出てけ」
「えー、だって一人でご飯食べるよりも皆で食べた方が美味しいよー」
「弟と食え」
「黒むーが一人ぼっちになっちゃうよぉ」
「俺は一人でも構わねえ」「……」
「……」
「お、おこた片付けるまでは…」
「自分で買えよっ!」
いい年してすっかり甘えっ子将軍に成り下がったファイの首ねっこを掴み、視線だけでその弟に持って帰れと告げる。
が、どうやら自身もこたつがお気に入りらしいユゥイはあっさりと、無理、と首を横に振った。
「だって黒鋼先生の言うことも聞かないのにオレがどうこう出来るわけないですよ」
それよりも早くご飯食べないと冷めちゃいますよ?
にっこりと、効果音まで聞こえてきそうな全開の笑顔でユゥイが答える。
元シェフお手製の夕食は確かに魅力だった。
それを分かって兄を野放しにしているあたり弟も大概いい性格をしている。
こたつがすっかり気に入った猫二匹。やがて春めいた陽気が近づく季節になっても、縄張りを移す気にはならなかったらしい。
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