贈り物

永住特殊設定な小話です。
オンリーまで一週間ですね。
…台風来ないようにお祈りします。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。

白鷺城から早馬で届け物がされたのはその日の昼下がりだった。
海水をたっぷりと含ませた海草で厳重に巻かれていた中から出てきたのは大ぶりな鮑。
どれもまだ生きていて、刺身でも食べられそうだ。
魚介類を生で食べる習慣の無かったファイのために、蒸してあんかけにするのだという賄いに、黒鋼のために刺身を用意してくれと声をかけた。

知世姫が直々に筆をとった文には、初産ゆえ体を労るようにと書いてある。
それともう一つ。

「鮑は食すと産まれてくる子どもが綺麗な瞳になるという言い伝えがあります」
何度も何度も、その部分を読み返す。

夫に似て真っ直ぐな瞳の子どもに産まれてくれるて良い。
ファイはひそかにそう願った。