二次創作中心ブログ。
ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。
妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。
同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。
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書き下ろし原稿一部ちら見せでございます。
ちょっと待ってまさかそんな、とツッコミが来そうな予感はひしひししている今日この頃です。
でも自重しない。
では下からどうぞ。
ちょっと待ってまさかそんな、とツッコミが来そうな予感はひしひししている今日この頃です。
でも自重しない。
では下からどうぞ。
「…産んだのですか」
ここに黒鋼がいたならば、即座に「んなわけねえだろ!」とがなりたてたであろう。
だが、思わずそんなことを聞いてしまった蘇摩に罪はない。
ファイの腕に抱かれてにこにことしているのはどこからどう見ても小さな子どもだ。淡い桃色の着物を着せられているので女の子だろう。
物怖じもせず蘇摩の顔を見てはにこにこと笑顔を向けてくる。人懐こい。
つぶらな瞳は木々の若葉を思わせるような美しい翡翠色だ。
思わずつられて微笑むと、子どもははにかんでファイの顔を見上げる。ふっくらとまろい頬が実に愛らしい。
「蘇摩さんは帝にの行幸にお供してたから知らないですよね」
ファイがなんとも言えない顔で苦笑している。すっかり言われ慣れてしまっているようだが、幼子をあやす手つきが何と言おうか…。あまりに堂に入っているので、他人とも思えないのだ。
「この子はねえ、黒様が魔物討伐から帰ってきた時につれてた子なんですよ。ご両親か身内の人を探してるんだけど見つからなくて…」
はあ、と蘇摩は気の抜けたような返事を返す。魔物の襲撃に遭い、身寄りをなくす者も多い。そう言った人間は同郷の者が面倒をみるか、あるいは係累が一切なければ一端城で身柄を引き受けた上で適当な施設に預けるのだ。小さい子どもならば孤児ばかりを集め面倒を見ているところに。
それを知っているファイも苦笑して腕の中の子どもをあやす。
「それがね。この子ったら大胆にも黒様に懐いちゃったみたいで…」
「…それは」
なんとも豪胆な子どもだ。
「引き離そうとしたら大泣きして手がつけられなかったんで、うちで預かってるんですよー」
ね、桜ちゃん。
そう声をかけたファイの言ってることが分かっているかのように、にっこりと幼子が笑って頷いた。
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