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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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おまけ話。
別名、『被害者視点』。

では下からどうぞ~。






変わらないもの変わっていくもの、全てひっくるめて愛しいのだ。


「とまあ最近しみじみ思うんですよねー」
「はあ…」
「これってオレが年寄りになった証拠かなあって思っちゃってー。只でさえ黒様よりもはるかに年上なのに、考えることまでお爺ちゃんじゃあ萎えるんじゃないかと心配なんですよー」
「そ、うでしょうか…」
もう聞きたくない。皆がそう思っていた。
かろうじて相槌を打つのも、すでに蘇摩一人だ。けれど彼女はいつのまにやらさらりと距離をおいて微笑んでいる姫巫女と帝を恨みはすまい。忠義の鑑のような忍者なのだから。
笑顔で返す蘇摩が、底のない惚気に気が遠くなりかけたころ、不意にファイの顔が輝いた。黒鋼が近くまで来たのだ。
あ、と一声漏らしたかと思ったら、ファイは瞬く間に軽やかに裾を翻して駆けて行く。
まるで重さを感じさせない動きで、しなやかに黒鋼の片腕に飛びつくのが蘇摩の目に映った。
二言三言言葉を交わす彼らの声が切れ切れに風に乗って届いた。
「昨日野蒜を摘んだから味噌に漬けてあるよー。帰ったら焙ってたべようか」
にこにこと今夜の酒肴の相談らしい。
惚気は若干食傷気味だが、こうして仲の良いのは大層微笑ましいことだ、と黒鋼の姉貴分にあたる忍者はふっと頬をゆるめた。
視線の先では黒鋼とファイが睦まじそうに寄り添っている。
今までのファイの惚気を思えば、まだ可愛らしい、とさえ思える光景だ。

長閑である。
そうとでも思わなければ全くやっていられない。
ある春の日の景色だった。


 

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