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暑さにへちょり、と伸びています。
太陽は敵です。
八月中にはもう一冊片付けてしまいたいので頑張ります。
九月の勤務日程が正直きっついので…。
そして部屋掃除をしていて腰を痛めるというていたらくっぷり。
弱い、弱すぎる、自分(涙)
腰を重点的に痛めるのは体重が重いからですね。(きっぱり)
でもこれからご飯の美味しい季節になるので、ダイエットは投げ捨てます。ええ。
拍手ありがとうございます。
では下からどうぞ。
生憎と布団は一組しかなかった。
男の一人所帯である。
泊まりがけで訪ねてくるような親しい者もなく、当然客間などもない。
着替えなどは城を出る際に持たされたのでどうにかなったが、布団までは手が回らなかったとみえる。
仕方なしに黒鋼は双子に布団を使わせることにした。
薄い粗末な寝具とはいえ、子どもにはないよりもあった方がいいだろうと判断したのは当然だった。
そう思い、くるりと振り返った先で――双子は部屋の隅に身を横たえていた。
「…なにやってんだ」
思わず呆れた声音が漏れるのを隠せない。
そんな黒鋼に双子は揃って目をパチクリと瞬かせた。
「だってお布団、一つしかないでしょう?」
「おうちのご主人様は黒さまだから、召使のファイとユゥイは床で寝るんだと…」
黒鋼はこれ以上の問答は無用と、双子の襟首を掴んで布団の中に転がし入れた。
「餓鬼を床に寝させるほど落ちぶれちゃいねえよ。だいたいお前らに召使なんぞさせるつもりもないし、出来るわけねえだろうが」
そう言い聞かせたものの、双子は申し訳なさそうに黒鋼を見上げて、ごぞごぞと布団の上でもがく。
「でも…ファイとユゥイがお布団で寝ちゃったら黒さまは?」
「適当にその辺で寝る」
「だって、ここ黒さまのおうちでしょう?なのにファイとユゥイがお布団使うのは変だと思う…」
意外なほどに強情な双子に黒鋼はどうしたものかと内心頭を抱えた。この調子では何を言っても自分たちだけで布団に入るのを良しとしないだろう。
仕方なく、別の提案をする。
「なら別に一緒で構わねえだろ、お前らちびだし」
その途端、双子は不思議そうに目を幾度も瞬かせた。その蒼色がこぼれてしまうんじゃないかと思うほど。
「…一緒?」
「黒さまといっしょに寝ていいの…?」
「じゃあ他にどうやって寝るつもりだ」
おずおずと尋ねる双子の頭を黙って布団に押し付けると、ややあって双子がくふんと笑う気配がした。
「いっしょだー」
「いっしょ、なんだ」
ひそひそと本人たちは囁きあっているつもりだろうが、生憎と黒鋼の耳には全部聞こえてしまっている。
「さっさと寝ろ」
そう促す黒鋼の横に今度は大人しく潜り込んだ二人は、キラキラとした蒼の瞳で黒鋼を見つめて恥かしそうに、おやすみなさいと呟いた。