二次創作中心ブログ。
ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。
妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。
同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。
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無断転載禁。
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原作より小話。
最終回と特別編の間くらいのお話。
というかアンソロ没ネタです。
一応同時進行で三種類書き進めていたんですが、一番ネタが詰め込めて話が膨らませられそうな物を最終的にアンソロ用原稿に仕上げて、他の二種類はネタごとに切り離していくつかの小話にしました。
地球に優しくリサイクル。
そんな更新。
では下からどうぞ~。
最終回と特別編の間くらいのお話。
というかアンソロ没ネタです。
一応同時進行で三種類書き進めていたんですが、一番ネタが詰め込めて話が膨らませられそうな物を最終的にアンソロ用原稿に仕上げて、他の二種類はネタごとに切り離していくつかの小話にしました。
地球に優しくリサイクル。
そんな更新。
では下からどうぞ~。
あ、とファイが小さく声をあげた。
つられて黒鋼がファイの見つめる方向に視線をやると、窓の外、砂漠の国では珍しい曇天が透明な雫を滴らせていた。
ぽつ、ぽつ、と窓を叩く雨音は静かだが、広がる曇天から察するに当分は止みそうにない。
「やらずの雨、だな」
雨音に紛れて零された黒鋼の声が静かに響く。
聞きなれない言葉に、ファイはゆるく首を傾げた。
黒鋼が窓の外よりも遠く、眩しいものでもみるように目を眇める。懐かしいものを見つめる目つきにも似ていた。
「日本国の言葉?」
「帰したくないと思った相手を引き止めるような雨をそう呼ぶんだ」
「…そう」
突然の雨がファイには、サクラのこぼす涙に思えた。
小狼とサクラ。どちらも覚悟は決めている。
それでもきっと、手放すのは辛い。
「やらずの雨、か」
ファイが覚えたての言葉を舌で転がす。
旅立ちはもう間もなくだ。
それでも。
今は少しでもこの雨が長く続くようにと願っている。
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