二次創作中心ブログ。
ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。
妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。
同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。
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堀鐔小話。
「爪切りの時に手が開いてるのは~」ていうのは、昔友人から聞いたお話です。
ちゃんとした統計なんかではないのですが、その場にいた人間は皆当たってました。
自分の体の一部を一時相手に委ねる、というのは安心出来る居場所の確認作業のような気もします。
では小話は下からどうぞ。
「爪切りの時に手が開いてるのは~」ていうのは、昔友人から聞いたお話です。
ちゃんとした統計なんかではないのですが、その場にいた人間は皆当たってました。
自分の体の一部を一時相手に委ねる、というのは安心出来る居場所の確認作業のような気もします。
では小話は下からどうぞ。
「黒様は爪切りはパー派なんだね」
「いや、意味が分かんねえよ」
軽やかにぱちりと音をたてて爪が切り落とされる。
爪を切る黒鋼の手元を覗き、自分の手をにぎにぎと開いたり閉じたりしながらファイは言う。
「爪を切るときに手をパーにして開いてる人は、小さい時に親や家族に切ってもらってたことが多いんだってー。
オレはねー、気が付いたら自分でしてたから手はグーになるんだよー」
ほらほら、と爪を切る動作をするファイの手は、ごく自然に丸まっていた。
その指先には形の良い爪がおさまっている。
「こい」
「?」
「伸びてんだろうが」
「切ってくれるのー?」
強引に自分の足の間にファイを座らせてその手を取る。
ファイも引かれるままに大人しく、黒鋼の胸にぽすんと背中をあずけて納まる。
「よく分かったねー」
ぱちり、と指先を金属の感触と自分以外の体温が撫でていく。開いた手の平の隅々までも丁寧に扱われるのは素面ではなかなかに恥ずかしかった。
「昨日」
「?」
「散々人の背中に爪たてたろうが」
「!」
ぱちり。爪を切る音に子供扱いされているのか大人扱いされているのか。
背後から響く声に乱される頭では、もう分からない。
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