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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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女子高生奥様設定です。


インフルエンザの予防接種してきました。(一昨日は予約ミスによりお流れ)
でも予防の第一の目的が先日無くなってしまったのでなんだかなあ、です。
まあ季節柄、しておくにこしたことはありません。仕事も佳境に入りますし。
皆様もお風邪など召されませんよう御気をつけください。

ちなみに、クリスマスと年越しは何も出来そうにないです。


拍手ありがとうございます。



では下からどうぞ。








鏡の前にファイはその裸身をさらした。
やや高めの身長だが全体に体つきがほっそりとしているため、鈍重な印象はない。
余分な肉のついていない体は、だが女性特有の柔らかな曲線を描き、括れた腰の細さやすらりと伸びた脚は世の女性が羨望してやまないものだろう。
緩く波打つ金色の髪とその奥から覗く瞳の色は蒼。透けるほどに白い顔が細い首の上に花のようにおさまっている。
美意識が特異な者でもない限り十人が十人声を揃えて美少女だと言うだろう。
だが、その本人は鏡の中の自分に向かい大きく失望のため息をついた。

「胸小さいよねえ…」


Bカップは人並み程度だと、一応弁明しておく。

 

今日も今日とて。夫に夜這いを仕掛けてあっさりと却下された妻は不貞腐れて枕に顔を埋める。
「ッたく…」
呆れたように呟く黒鋼の声に恨めしそうな目線を投げつけた。大っぴらに言えないが、黒鋼は教師であり、ファイは現役の高校生で黒鋼の教え子だ。
今はまだ公に出来ない事実ではあるが、せめて二人きりの家の中では夫婦としての関係を大切にしたい。
そう思うファイとは裏腹に、黒鋼はファイに触れてこない。
強請ったり不意打ちで仕掛けるキスはある。だが、彼はそれ以上ファイの肌に触れてこようとはしない。
最初の頃はまだファイのことを気遣ってくれているのだとも思えた。けれど、それからいくら経っても黒鋼はファイを抱こうとはしない。
ファイも徐々に不安になり、最近では焦りに変わってきている。
クラスの女の子の中には彼氏との体験を密やかに打ち明ける子もいた。恥かしそうに、でもとても嬉しそうに。
級友たちとの他愛ない恋愛話にファイの不安はどんどん増していった。
そうして嫌でも黒鋼とのことを考えてしまうのだ。
黒鋼は大人の男で、健全な男としてはそれなりに欲求もあるはずだ。それとも未発達な体は彼の好みではないのだろうかと、悩む。
せめて体だけでも繋げられたら、たとえ誤魔化しでもファイは慰められるのに。

「オレがお子様で胸も無いから欲情してくれないんだー」
「違う」
「じゃあ、実は他に好きな人がいるから操立てしてるんだー」
「アホか」
「じゃあ…」
黒鋼は自分のことをどう思っているのだろうか。

「『先生』はオレのこと同情して結婚してくれたの?」
ぽつりとこぼした声は自分でも思った以上に乾いていて、惨めになった。
「オレが好きでもない人と結婚するのが可哀想だから結婚してくれたの?」

本当なら、ファイが16になった時に結婚するはずだったのは黒鋼ではなかった。
無茶な縁談を回避するために、叔父の子飼いの人間と婚約するはずだったファイをさらうように黒鋼が連れ出してくれた時は夢のような心地がしたものだ。
その時に黒鋼はキスと約束の言葉をくれたけれど、それ以上の触れ合いは二人の間には未だない。
何度も強請れば、キスはしてくれる。けれど、性的な接触はことごとく拒否される。
他に意中の相手がいることも、それ以外の可能性も散々考えた。
けれどどれもはっきりとした答えにはならず、ファイの煩悶は解消されはしない。

馬鹿なことを聞いたと言う自覚はあった。これで肯定されたり下手な慰めを与えられでもしたら余計に傷つくのは自分だと知っているのに。
枕から顔が上げられないファイの耳に、黒鋼のため息がはっきりと聞こえた。
本当に呆れられてしまったろうかと強張らせた体が次の瞬間浮遊感を感じたかと思うと、次には黒鋼の膝の上に乗せられていた。

「同情や憐憫で自分の戸籍汚すほど俺はお人好しじゃねえよ」

間近から赤の瞳に見つめられ、ファイの胸が場違いに鳴る。
きっぱりとした否定の言葉に心が少し軽くなる。
「お前と夫婦になったのも俺の意思だ。
他の奴に掻っ攫われるのが嫌で未成年相手に大人気ないまねしたのは後ろめたいがな。
後悔はしていない」
「じゃあ…」
抱いて、そう言おうとしたファイの唇を黒鋼の指が遮った。
「だからお前が俺の生徒じゃなくなるまでは抱かない」
「どうして?」
不服そうなファイに珍しく黒鋼から口付ける。
「歯止めが利かなくなる」
利かなくてもいいのに、とファイは答えたが黒鋼は「けじめだ」と聞き入れる気は微塵もない。
「オレ、黒様が本当はオレのこと好きじゃないのかなってずっと怖かったんだよ?」
「悪かったな」
「ひどい旦那様だけど…許したげるー」
オレと結婚したの後悔してないならいいや、とファイの唇が綻んだ。
自分でもげんきんなことに、黒鋼の口からはっきりと告げられた、それだけで苦しい思いが消えていく。

少しだけこの甘い感激を長く味わいたくて、何度も強請ったキスをその夜は一度も拒まれなかった。

 

すやすやと、安眠を貪る奥様に旦那様のため息が落とされる。
「ひどいのはどっちだ、このバカ」
手出し出来ない相手と同じベッドで眠る旦那様の葛藤を、一足先に夢の国へと向かった奥様は一切知らない。

 

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