衣通姫

永住設定小話です。
分かる人にはにやりとしていただけるタイトル。
この名前の薔薇もあるんですよ。綺麗です。


拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。

盛りの暑さは過ぎたと言えど、それでも十分すぎるくらい暑い。
残暑に参ったファイは姫巫女から下賜された(知世本人の認識は「差し上げた」だが)羅を愛用していた。

だらだらと怠惰かつだらしなく寝そべっているファイを見て黒鋼は小さくため息をつく。

羅の下から光るように白い肌が浮かび上がっていた。
気だるげな様子と相まって妖艶でもある。
理性を根底から揺さぶられるようだった。
(知世のやつ…分かってやってんじゃねえだろうな)

無論、黒鋼の予想は正しい。