あの人にあげよ

園児設定小話です。
明日は母の日ですね。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。

「ファイとユゥイのママは遠くにいるから会えないの」
「だからカーネーション、あげる人いないの」
幼稚園で作った造花の赤いカーネーションを握りしめ、双子は悲しそうに言う。

「お花…可愛いけど、ファイたちのせいで役に立てないのはかわいそう…」
「せっかく作ったのに残念だけど、…でも仕方ないの」
うつ向いてしまった双子の手の中で、赤い花がふるふると震えていた。
思わず黒鋼は双子の手首をギュッと掴む。

「だったら三人でうちの母さんに渡せばいい！綺麗なお花好きだから喜ぶ！」



三人で渡したカーネーションを、黒鋼の母親は嬉しそうに受け取って。
それから、三人まとめて抱き締めた。