それが始まり

のばらシリーズ小話です。
小さい時の二人の初遭遇なお話。

拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。

「母さんの持ってる人形とおんなじ子がいたっ！髪の毛が金色で目が青い子！」
「あらあら…」

息子の声に振り向いた母親は軽く驚きに目を見張る。
やんちゃだが聞き分けは歳相応以上に備えている息子はどこか誇らしげに胸を張っていた。
その手の先――握られた手の先には、童話の世界から抜け出たような可愛らしい女の子が、大きな青い瞳を瞬かせてこちらを見ていた。

後に母親が父親に「多分一目惚れじゃないかしら」と耳打ちしたのを、息子は知らない。