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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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日本国長編その四です。

今日はお昼ご飯にもんじゃ焼きを作って食べました。
美味しいのですが、お好み焼きを食べなれて育ったせいか、「生地が固まらない」ということに微妙な不安を感じます。
が、美味しいので食べてるうちに忘れます。

どうでもいいのですが、地理的に広島が近いせいか我が家で作ってもお店でも圧倒的に多いのは「広島風お好み焼き」です。
もちろん、小さいころから食べ慣れているのも広島風。
なのに不思議なことに好きなのは関西風お好み焼きなんですよね…。
山芋とこんにゃくと紅しょうがいっぱいなのが好きです。
味覚って本当に不思議ですね。


拍手ありがとうございます。
通販の到着を報告してくださった方もありがとうございます!

では下からどうぞ。












己の意思とはまた別に、男の体とは高揚感や意識が戦闘的になることで性的な衝動に襲われる。
その熱を鎮めるためだけに女を口説き落とすよりは、春をひさぐ女を相手にした方が面倒がない。
金さえきちんと払い、無体なことを強いたりしない限りは、体を繋げることに手間取らないのだし後腐れがない。
何よりも商売女はそういった男の体の生理を理解しているので、話が早い。
黒鋼が抱く女というのは大抵がそんな花街の女たちだった。
選り好みするようなたちではないが、忍という役目のために完全に警戒を解くことは無く、相手にする女も諜報活動の一環で遊女の真似事をする元忍や情報屋がほとんどだ。
女たちの方も、黒鋼のことを仕事として閨房術を使うよりも気軽に相手を出来る男だと思っていたから、それなりに利害は一致していたのだろう。
相手に不自由を覚えることが無い程度には体の欲求も発散することが出来た。


「いつまでこんなところにいらっしゃるおつもりなの?」
「ああ?」
緋色の襦袢を纏いなおす女は、黒鋼の相手をするのは今夜が最後だと言った。
「どうした」
「呉服屋の旦那に落籍されるのよ」
黒鋼よりもいくつか年上の彼女は、元々忍軍に身を置く忍だった。戦闘を主とする部隊とは違い、帝に反逆する可能性のある領土や集団を探るのが役目であり、時折敵方の人間を篭絡して寝返りを唆すこともある。
そのための手段に惜しみなく己の肉体を使う女は、なるほど肉感的で美しかった。
美醜にこだわりのない、と自覚している黒鋼が素直にそう思うのだから、遊里に訪れるただの客の中に本気で惚れ込む人間があってもおかしくはない。
忍としても有能な彼女を忍軍が容易く手放すとも思えなかったが、大店に身内として入ることで新たな人脈を抱えることを利としたのであれば話は早い。
「泣く男が大勢いるんだろうな」
そう軽口を叩く程度には気安い仲だった。
それでいて、男と女の関係を持ちながらも、どちらも忍としての一線をけして越えることはなかった。
ふふ、と女の唇が笑う。
「あら、待っている方がいらっしゃるくせに」
思わず言葉を無くす黒鋼が可笑しかったのか、くすくすと紅をひいた唇からしのび笑いが零れる。
ひとしきり笑って、彼女は黒鋼に言う。
「本当はね、ちょっと心配してたのよ。忍軍にいた時から貴方の女関係は体以外には無いも同然だったし。
でも安心して自分を任せられる人が出来たのね」
言葉が出てこない黒鋼に、彼女はちょっと意地悪な顔を向けた。
「気がついてないでしょうけど、貴方ここでお酒を飲んで帰ることが無くなったのよ。
やることやったらさっさと帰ってしまうんだから、ひどい男よねえ。
おまけにあれは絶対待たせてる人間がいるんだって皆噂してたのに、本人は気づいてないなんて」
そうだったろうか、と思い記憶を手繰れば、確かに昔は女と床に入る前後に酒を飲んでいた。
悠長に酌をさせるのが面倒で、手酌で飲んでは幾度も窘められたのだった。
今ではもうすっかりそんなことも無くなっていたのだ。

「貴方はもう帰る場所があるでしょう?」
だったらいつまでもこんなところに来るもんじゃないわ、そう言って笑う女の顔は商売用の顔ではなかった。


体の渇きを鎮めるためだけに、遊里に通っていたのだと思っていた。
けれど、知らないところでずっと見守られていたのだ。
所詮は男は知らずに女の掌の上で転がされているのか、と苦笑するより他ない。

 

お帰りなさい、と出迎えるファイの顔を見た瞬間、唐突に女の声が蘇った。
『待っている方がいらっしゃるくせに』
確かに待つ人はいる。
けれど、そんな相手ではないのだと何故言えなかったのか。
黙ったままで立っている黒鋼にファイが不思議そうな視線を向ける。
「黒様?」
なんでもない、と数度頭を軽く叩いて宥めてやれば、「子ども扱いしないでよ~」と抗議の声が上がった。
それにどうしようもなく安堵する。おかしな感情だった。
「どうしよう、お酒温める?」
「ああ」
炊事場で酒瓶を振って残りの量を確かめるファイの背中が随分細いものだと、その時ふと思った。
伸びた金色の髪を一つに束ね、うなじの白さが目に飛び込む。

そんな相手ではないのだ、と今度は自分に言い聞かせていた。

 

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