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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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永住設定小話です。

イメージとしては大海人皇子の紫草のお歌なのですが(うろ覚え)、あの歌は額田王との愛憎劇の名残かと思いきや、どうやら当時の年齢感覚では昔馴染みのおじいちゃんとおばあちゃんの軽口のたたき合いくらいなんだとか。
王朝文学、現代人との感覚の隔たりが面白い…。


拍手ありがとうございます。

では下からどうぞ。







振り向いた視線の先で、ひらひらと白い袖が翻るのが見えた。
帝の御幸に随伴する黒鋼を見送るファイの姿が、黒鋼の赤い瞳に映し出される。
白いその姿は遠目からは、城の冠する白鷺の名そのものの様にも見える。


「睦まじいこと」
鮮やかな朱唇を綻ばせる帝の、当て擦りやらからかいやら分からぬ言を聞き流し、黒鋼は目を閉じた。

呼ばれている、と感じた。

袖を振る、という仕草は古い呪だ。
相手の魂を自分のそばへ、そばへと呼び招いているのだという。

招魂の呪。

魂を、呼ばれている。

まさかファイがそれを知っているわけでもないのだろうけれど。
黒鋼は人知れず密やかに息を吐いた。

たとえ呼ばれなくとも、逸る心が惹かれていることなど、彼は思いもしないのだろう。


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