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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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忍者子育て話続きです。

原稿してたらうっかり今日アップするのを忘れかけていたなんてそんな(棒読み)。

先日は職場の愚痴でお目汚しすみませんでした。
心配のコメントも頂戴して申し訳ないやら嬉しいやらです。
でも仮名も大概性格が悪いので、怒り狂う上司の姿を「顎肉ぷるぷる震えてーら」と呑気に観察してました。ご安心を。余裕です、へこたれてません。
ちなみに同僚も上司からの怒鳴り散らした電話が朝の6時から家電にかかってきたそうです。わけの分からない電話に起こされたご家族もいい迷惑でしたね…。

そんなわけで明日も仕事です。てか気がつくと九月がもう終ります。ぎゃー!


拍手ありがとうございます。


では下からどうぞー。


 






黒鋼が向かったのは白鷺城だ。
出ていったばかりの男がすぐにまた舞い戻ってきたことに城主姉妹は軽い驚きを見せたが、事情を聞いて顔色を変える。
黒鋼と双子が住んでいるのは城の三の丸だ。本丸から一番遠い外側の城郭であるとはいえ、れっきとした白鷺城の内部にあたる。双子絡みのことでなくとも、そこで人攫いが出たとなると由々しき事態だ。
だが、黒鋼と姉妹の頭を過ぎったのはそれではない。あまりにも時期が合いすぎる。
寺院が双子を欲しがっている話が出てから間もない。切り離して考えろといっても土台無理な話だ。
行き過ぎた信仰が危うい方向へと向かえば容易く暴走することを、姫巫女である月読は何よりも理解している。
低く黒鋼が問う。
「あいつらを寄越せとぬかしたのはどこの寺だ」
答えればすぐにでも押し込みそうな気配である。事実そうするであろうことは想像に難くない。
天照がぱちりと扇を閉じると落ち着きなさい、と声をかけた。
「無策に飛び込んでどうするつもりです。稚児に欲しいと言った寺が浚ったと決まったわけでもなし。単なる子取りかも知れぬというのに」
「単なる子取りがほいほいと出入りできる場所じゃねえ」
確かにその通りだ。城に使える人間が多く住み城下町と変わらない空気であっても、外敵の侵入を許さない厳重な警備が布かれている。
その中で子どもを攫うなど簡単なこととは思えない。まして子どもは一人ではなく双子で、その容貌は嫌でも目立つ。
子ども二人を隠すようなことの出来る状態で城門の出入りが許されているとなるとそれは限られているのだ。
四方の城門に使いをやり、今日その門を使った人間を調べさせた。
いくら調べてもそもそも術で隠されてしまえば門番程度の目には見えない。それを一瞬危惧したが、知世のいる場所でそのような小細工が通用するわけもないと思い直し、頭からその可能性は否定した。
そうすれば調べる対象は絞られてくる。

今日の主だった登城者の名簿に目を通しながら、貴族や宰相など、登城一つに行列をなしてやってくる人間の多さに黒鋼の眉間の皺が深くなった。しかし、程なく別の一覧を見ていた知世の瞳が止まる。
二の丸に住居を与えられている高官の屋敷をとある寺院の一団が訪れていた。家人の月命日のために招いたらしいが、それにしては少々人数が多い。
疑惑が確証へと変わったのは、その寺院の名前を見た天照の反応だ。眉を顰め、意味ありげに黒鋼を見遣る。言葉よりも雄弁な答えだ。
「止めんなよ」
短く言い捨てて出て行こうとした黒鋼を呼び止めたのは知世だった。双子が城に来なくなったきっかけを作ってしまったことを悔いているのかもしれない。おそらくそれを除いても、黒鋼が双子を取り戻しに行くというのを止めはしないだろうが。
「寺院、と一口に言っても大層広いのは知っておりますわね。お姉様の言うとおり、無策に飛び込んでもいけません」
正論だ。大きな寺院になれば一口に寺、と言っても嶺の連なる山を丸々さす場合もある。そんな場所を虱潰しに探している場合ではない。その間に別の場所に移されてしまうかもしれないのだ。
思わず主の前で舌打ちをする黒鋼に、知世は尋ねた。
「お二人の身につけていたものは持っていますか」
「ああ」
家の前で拾った根付を知世が差し出した白い手のひらの上に乗せる。
二人に揃いで買ってやったものだ。嬉しそうに毎日帯に挟んでいた。
哀れにも一羽だけ取り残された鳥の根付に知世が短く呪を与える。やがて鳥は白い手のひらからふわりと浮き上がると、まるで生きているもののように黒鋼の周りをくるりと回り、誘うようにすい、と少し先へと進む。
「この子が、元の持ち主のところまで案内してくれますわ」
くれぐれも無益な殺生はしないように、と言い含めて知世は黒鋼を先へと促した。
それに礼を言うのももどかしく、黒鋼は小さな鳥の後を追う。
黒鋼がついてくるのを分かっているように鳥はすいすいと先へ進み、黒鋼の来るのをしばらく待ってはまた飛んでいく。
そんな姿はまるで持ち主の双子そのままで、黒鋼は無性にもどかしくて堪らなかった。



 

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