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二次創作中心ブログ。 ただいまの取り扱いは忍者×魔術師。 妄想と現実は違う、ということを理解した上で二次創作を楽しめる方はどうぞ。 同人、女性向け等の単語に嫌悪を感じる方は回れ右。 18歳未満は閲覧不可。 無断転載禁。
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黒双子話の続きです。
三話で終らせるとか言ってたアホがここにいます。

だってモト様から「おかわり」コールが出たから。まや様から「さんぴー」コールが出たから。
もっと好きに書いていいんだと思った!
色々書き足してました。
さすがにエロシーン3セット書き足す余力がないので1セットで勘弁してください。(どんな宣言だ)
その分頑張りますから。


では「黒双子とか無理」な方は回避を。
それ以外の方は下からどうぞ。


 

双子の主張というのは共通していて、どちらもが自分よりももう片方を優先しろという。
ファイはユゥイを捨てたら許さないと言うし、ユゥイの方も自分よりもファイの方を大事にしろと言う。
奇妙な話だった。
そのどちらをも叶えてやると約束したからこそ、今、二人ともが黒鋼の手の中にあるのだったが。

二人一緒にいること。

唯一、二人を娼館から身請けする時に双子が黒鋼に要求したことはそれだった。
まだ三度目の逢瀬だった。しかしその夜限りでかの地を離れなければいけない黒鋼は躊躇うことなく二人揃って買い取った。
けして安くはない買い物だったが、黒鋼にしてみれば高すぎるということもない。
すでに二人の常客だった男と懇意にしていた娼館の主は、最初は双子を手放すことを渋った。
だが、その常客自身にとって黒鋼がけして粗略に扱うことの出来ない相手だということを、主も客も理解していた。これからの商売上の関係と男娼二人を天秤にかけて、傾いたのは己の保身だった。
何より主が頷いたのが黒鋼の提示した額によるところが大きい。
目の前で支払って見せたのは相場の倍ほどもの札束。
予想も出来ない事態に顔を青くさせたり赤くさせたりと百面相も目まぐるしい主に対し黒鋼は涼しい顔をしていた。
平然と「不足か」と更に金を積み上げようとした黒鋼に、娼館の主が一も二も無く商談を成立させたのは言うまでもない。
 

今でも覚えている。
あれは貿易商の接待だった。横浜の娼館に連れて行かれ、宴席を設けたのだ。
けばけばしく着飾った娼婦がわざとらしいしなをつくり、酌にことよせてやたらなよなよと媚態を見せ付けてくるのに辟易していた。
内心で押し隠していた黒鋼の様子を目敏く察した一人が、「面白いものをお見せしますよ」と言い、店主らしき男を呼びつけた。
常客らしい男は物慣れた様子で店主に二言三言何かを囁く。
それを何の感慨もなく黒鋼はちらりと一瞥しただけだった。
妻帯していない黒鋼に己の娘との縁談を持ちかける一方で、商談をまとめるために商売女をあてがい機嫌をとろうとするその神経は理解し難い。
無論、これしきのことで懐柔できると思っているのならば随分と安く見られたものだと思う。
あいたグラスにすかさず琥珀色の液体が注がれる。
傍らの女はしなだれかかるような姿勢のまま黒鋼を熱っぽく見つめていた。
この娼館の一番人気らしい女は確かに美しかった。だが、べったりと塗りこめられた化粧も、動くたびに鼻をくすぐる香水の匂いも好ましいとは思わない。
むしろ不快なのだ。
しどけなく襟ぐりを開き白い肌を見せ付ける女の匂いに、酒が不味くなりそうだと眉を寄せながら注がれた液体をあおる。
貿易の入り口として栄える港街であるだけに、こんな場所でも出てくるのは上等な海外の酒だった。横流しか正規の品かは知らないが、容易に手に入るらしい。
集まった男たちの中でもいまだ二十代の黒鋼の姿は嫌でも目立つ。
欲と脂肪とを詰め込み、たるんだ腹の金満老人たちの姿は醜怪だ。
そんな彼らがぺこぺこと頭を下げ、媚びるような視線を向けているのが黒鋼である。
倍ほども年の離れた男たち相手に、不遜とも思える態度で悠然をしている黒鋼の姿に、誰しもが今宵一番力を持つ者が誰かを知った。
ねっとりと今夜の客の値踏みをする女たちの視線にもそれは如実に表れている。
ややあって娼館の主が戻り、一同に恭しく頭を下げた。
「お待たせいたしました」
何事が始まるのだ、と興味深々に身を乗り出す男たちの無様な姿に内心で嘲る黒鋼に、取引相手が得意げに耳打ちをする。
「ここには珍しい男娼がいるんですよ」
「男?」
ただの欲望のはけ口にしたって男なんぞに用はない。だが、黒鋼が疑問に思う間もなく、入ってきた男娼「たち」の姿に目を見張る。
「『梔子』と『眇』でございます」
はらり、と肩にかかるのは混じりけのない白金。
全く同じ顔の二人。それぞれ着物の色は松葉と紫紺、帯は揃いで黒地に一面金の刺繍が施されている。
惜しむらくは二対の蒼い双眸のうち、一つが眼帯によって隠されていることか。
殊更にしなをつくる女たちと違い、二人とも能面のようにその顔に表情はない。
「眇、皆様にお前の顔をお見せしろ」
居丈高な店主の申し付けに、眇、と呼ばれた男娼は躊躇いもなく眼帯を取り、髪をかきあげた。
ぽかりとうつろな眼窩と白い肌の上の生生しい傷跡があらわになる。
眇という名の如く、片方の目が無いのだ。
顔の造作が整っているだけにそれは無残で、息を飲む者、小さく悲鳴を漏らす者、それぞれだった。黒鋼の隣の女がわざとらしく、まあ可哀想、と言う声には気味悪いと言いたげな侮蔑が篭っていた。
髪がはらはらと滑り落ちて瞳のない瞼の上へと覆いかぶさる。
男娼に一切の表情はない。
だが、黒鋼は気づいていた。並べるように立たされたもう片方の男娼の瞳に、人知れぬ憤怒の焔が一瞬宿ったことを。
それに気がつかぬ男たちの、娼館の主の見る目の無さがいっそ滑稽なほどだった。
場の空気を呑んだと思ったのか、にやついた顔で主は口上を述べる。
「こちらの梔子は生まれつき淫蕩な性質とみえましてねえ、男と見れば昼だろうが夜だろうが関係なく盛るのですよ」
盛りの猫の方が行儀がいいやも知れませんなあ、と主の下卑た笑いに男たちが同調してどっと嘲笑する。
眇の隻眼が冷ややかすぎるほどに冷たく光ったのを黒鋼はじっと見つめていた。
この双子の男娼の矜持の高さに気がついているのはおそらくこの場で黒鋼だけだろう。
娼館におよそ似合わぬ静謐を湛えた誇り高い姿に思わぬ興味が頭をもたげる。
商売でも私生活でも、これほど興味を覚えたことはない。どれほど莫大な金の動く取引だろうと、美貌の女の誘惑だろうと、こんな風に心ひかれるのはついぞ無かった。
面白い、と黒鋼の唇が獰猛な笑みを形作る。
「当方の自慢は数多い美女を揃えていることですが、たまにはこのような毛色の違う趣向も面白うございましょう。
どなたかこの眇と梔子に相手をさせてみたいと思われるお客様はいらっしゃいますか」
主の言葉に男たちの目線が密やかに交わされる。
男など気持ち悪いと思っているらしき者もいたが、大方の享楽を尽くした男たちには少しばかりこの異色の男娼にそそられぬでもない厭らしい欲望の色も、その表情のあちこちに見え隠れしている。
互いに互いの出方を探り合っている微妙な空気を、黒鋼の声が一閃した。
「だったら俺の今晩の相手をしてもらおうか」
しな垂れかかったまま呆気に取られた顔をする女郎を振り払い、迷いのない足取りで双子に歩み寄る。
誰一人否やと言えようはずもない。
双子だけが恐れ気も無く黒鋼を見つめて、艶麗に笑った。
「貴方が今夜の主様?」
「二人のうちのどちらをお選び?」
試すようなその艶やかな微笑みに黒鋼は低く笑う。
「どちらも、だ」
一瞬眼を瞬かせた双子の男娼が、両側から黒鋼の腕を取り、寝間へと招いた。

着物を脱ぎ落とし、曝け出された肌は雪のように白かった。
気味が悪くはないかと尋ねる眇に、何がだ、と尋ね返し細い腰を抱き寄せる。
どう言えばいいのかと逡巡する眇と、同じように肌を露にした梔子の肌にはうっすらと傷が残る。
客をその気にさせる淫猥な空気を作り上げるためにわざと落とされた照明の下では気がつかないであろうが、煌々と輝く上客のために特別に案内された閨の照明ははっきりとそれを浮かび上がらせていた。
娼館の主の扱い一つとっても、この双子の男娼が粗略に扱われているのは容易に想像が出来る。おそらくは客もあまり上等とはいえない連中ばかりだろうとあたりをつける。
それなのに、双子にはこの手合いの人間にありがちな擦れ方やひね方が見受けられなかった。
「眼とか、髪とか…肌とか」
おずおずと促されるままにもう一度黒鋼に尋ねる眇の様子は、どちらかというと物慣れない風情でもある。
これが演技ならばたいしたものだが、それほど周到な演技が出来るのならばもう少しは趣味の良い客を引っ掛けることも出来るだろう。即座にそれはないなと黒鋼は考えた。
「まあ珍しいのは確かだな」
ここまで澄むような金髪も碧眼もお目にかかったことは無い。素直にその美しさには感嘆する。
白い肌も女郎の白粉で塗りたくられた肌よりもよほど赤く染め上げたくなる。そう囁くと恥かしそうに二人は目を伏せた。

褥に沈む滑らかな体は、静かに黒鋼を受け入れる。
確かに男を幾度も受け入れてきたらしい体ではあったが、双子は時折黒鋼の手の動きに困惑したように視線を彷徨わせた。
双子の男娼は男を受け入れる術を知りながらも、どうにも緩く追い上げられる快楽には慣れていないようだった。
経験とは面白いもので、単純に数をこなせば性の快楽を覚えるというものでもない。
どこか覚束ない初心な反応に黒鋼は気を良くし、細い体を抱いた。
「こんな風にちゃんと抱かれたこと無かった」
翌朝におずおずと口吸いを強請った双子はぽつんとそう言った。
 

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