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二月の女体連載終ったらこれも本筋を書かねば。
本誌がいよいよ佳境に入り、あれも書きたかった、これも書きたかった、と今更に妄想が溢れます。
拍手ありがとうございます。
では下からどうぞ。
「黒様ー、チョコどれ食べるー?
ゴディバとフォションとねえモロゾフもあるよー」
「お前が貰ったもんだろうが」
恋愛は同性専門であっても、ホストという職業柄ファイは女性から様々な貢ぎ物を貰ってくる。
見た目はビスクドールさながら、人当たりが柔らかで優しくて、何時間だってお喋りに付き合ってくれる。
何が良くて男ばかりを恋人にするのかわからないが、女相手だって充分モテるのだ。
そんなわけで二月のこの時期、仕事明けのファイは誇張でなく山のようなプレゼントを抱えている。
中身はアクセサリーや小物だったり、定番のチョコだったりするのだが、どれもこれも黒鋼でさえ一目で分かるほど高価な物には違いない。
よくもまあこんな金があるものだ、と呆れる。
ファイが差し出してくるチョコだって耳にしたのは一度や二度ではないブランドだ。
だが。
「大丈夫だよ、既製品だからあぶなくないよ~。
オレが『これが食べたいなー』って指定したメーカーだし」
「…なんだその『あぶない』ってのは」
「う~ん。うっかり手作りの物を受け取っちゃうとねー…。
恋のおまじないとか真に受けた娘が変な物混ぜてたりするんだよね…。自分の香水とか血とか」
手編みセーターに髪の毛を編み込むのなんて可愛いもんだよ。
そう言って遠い目をする彼の苦労を知ってしまってからは全く羨ましくもない話だった。
「ブランドのバッグや時計だと元彼に勝手に売り飛ばされちゃってたんだよねー。
恋人のいないバレンタインなんて初めてだけど、何だか平和でいいなー、黒様もいるし」
なんてことを黒鋼に話すファイは、何がそんなに楽しいのかわからないのだが幸せそうだった。