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某サイトさんとこのウサ耳つけた黒たんに胸がときめきました。
ファイがこれを逃すわけが無い。
mi〇hi様に怒られたら下げる気満々。
拍手ありがとうございます。
では下からどうぞ。
10月31日、堀鐔学園大講堂。
お祭り好きの理事長の方針ゆえに、れっきとした学校行事としてハロウィンが組み込まれている。
生徒は思い思いの仮装、扮装で集まっていた。
毎年全員で仮装してその年のイベントを楽しむかたわらで、生徒が担当の教師に決まり文句の「Trick or treat」とお菓子をねだったりもする。
ふ、と照明が落ち、ステージのスポットライトだけがパッと人目を引いた。
首謀者、否、主催者の理事長の姿がスポットライトの中浮かび上がる。
「みんな…」
途端にしん…と静まり返った講堂に理事長の声が響く。
「ハロウィンは楽しいかー!」
おおー!と生徒たちの唱和がどっと空気を揺らす。
まんまどこぞのウルトラクイズのノリだ。
ちなみに教職員の今年のテーマは「不思議の国のアリス」。
言わずもがなの理事長の仮装はハートの女王。水鳥の羽をふんだんに使った豪奢な扇を口元に当てる様子の貫禄はまさに「女王様」。
他の教職員の面々もテーマに沿った扮装に身を包んでいる。
だが、居並ぶ教職員の中に普段ならば生徒たち(時には教師も)が羽目を外しすぎないように監視しているはずの体育教師の姿が無かった。
ただのコスプレ集団じゃねえかと一人冷静に突っ込んだ体育教師は、結果、理事長に強引に黒服を着せられてウサ耳をつけられ、「冗談じゃねえ」と姿を晦まし今に至る。
至極全うな意見だったが、それが全面的に支持されるとは限らない。
責任感の強い人間なのでさすがに校内には控えているだろうがそれでは面白くない、というのがお祭り騒ぎ大好きな面々の意見。
逃げるだけで済まそうなんてそうは問屋が卸さない。理事長・壱原侑子の性格に日々振り回されているのならば、彼女がそんな思考に行き着くことを考慮してしかるべきだった。
女王様がステージで声高らかに本日のイベント開始を宣言する。
「今年のハロウィンメインイベントは『追いかけっこ』よ!ターゲットはこちら!」
優勝者には豪華賞品プレゼントよ~vと生徒を唆す理事長の背後のスクリーンに「WANTED!」と書かれた体育教師のアップが映し出された。
何時の間に用意したのかなどと無粋なことを言ってはいけない。どうせその答えは永久に得られないのだから。
それだけでも、お祭り騒ぎ特有の浮かれ具合なのであるが、生徒最大の騒ぎはノリノリで水色ワンピースにエプロンという某夢の国産アリスの格好をした化学教師がマイク片手に宣言したことによる。
「黒ウサギさんを捕まえてオレのところまでつれてきてくれた人に単位一つをスペシャルプレゼントーv」
生徒の目の色が変わった。
「制限時間は正午から一時間の昼休みを除いて午後三時まで。グループ参加も可。但し飛び道具に限らず道具の使用や過剰な暴力行為は禁止。相手は体育教師だけあって腕力、スタミナ、瞬発力どれをとっても並じゃないわよー。知力体力時の運を駆使して頑張ってちょうだい」
体育教師にとっては非常に不本意かつ不運ながらも、今年の堀鐔学園のハロウィンが始まろうとしていた。