[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
裏部分は今回で、お話は次で終わりです。シリーズ自体はまだまだ続きますが。ネタはあるので。
では下からどうぞ。
「ぅっう、うあ…っ!ん…っ」
もう、濡れた音に羞恥を感じる余裕すらない。突き入れられ、引き抜かれる。
そのたびに呼吸が忙しなくあがり、感覚の何もかもが焼け爛れてしまったようだ。
黒鋼が息をつめた。
瞬間、腹の内側に熱の奔流を感じた。内側からじわじわと侵食してくるその熱さに思わず目の前の体をかき抱く。
どくどくと精液が流し込まれるのをファイは最奥で感じていた。気持ちとは裏腹にびくびくと筋肉を震わせて男の精を受け止めるしかない自分の体をどこか他人ごとのようにも見つめていた。
ぽかんと目を見開き、唇をうっすらと開いたまま閉じることさえ忘れたようなファイの様子は、どこかしら人形めいていて、思わず黒鋼はその体温を確認してしまう。
早鐘を打つように心臓が脈打ち、汗ばんだ体はたしかに自分のものになったのだと噛み締める。
黒鋼が自身を引き出すと、ファイの媚肉がそれまで入っていた形を覚えるようにパクパクと動き、中からはとろりと精液が零れてくる。
「あぁ、ぅ…」
小さく快楽とも苦痛ともつかぬ呻きがファイの唇から洩れた。閉じることを忘れたような小さな唇からはひとすじ、唾液が顎まで伝い落ちている。
ぼんやりした瞳に光が戻ってくる。ぱちぱちと瞬いたファイは黒鋼の顔がすぐ傍にあることに気がついた。
「…も、終わったんだよね?」
恐る恐るそう聞いてくるファイは今にも泣き出しそうで、本当に 精一杯だったのだと知れる。
苦笑しながら髪を梳く黒鋼の手にファイはおずおずと白い頬を寄せた。
「いやになった…?」
「何がだ」
「オレ処女で面倒じゃなかった…?」
思いもよらぬことを聞かれて黒鋼は驚いた。
その反応を肯定ととらえたのだろう。ファイは黒鋼の肩に白い手を添えて厚いその胸板に顔を寄せた。
「ごめんなさい…。でも頑張るから、嫌いにならないで…」
吐息が肌をくすぐる。
最後の理性の糸がぷつりと切れるのを、黒鋼は片隅でどこか冷静に聞いていた。
横たえた体はそのままに片足を持ち上げ、秘部を晒す。数瞬、何をされているのか分からなかったファイだが、やがて羞恥に力なく抗う。
「やぁ…何するの…っ!」
「頑張るんだろう?」
開かせた足の間に体を滑り込ませれば、もうそこは閉じられず穿たれる時を待つしかない。
小さく震える肩が恐怖のためなのか快楽のためなのかは分からないが、あまりに怯えるファイが可哀想で黒鋼はそっとそれを抱きしめる。けれど止められない。
重ねる唇がだんだんと深いものになっていくのを見計らって、興奮して持ち上がっていた自身を潜り込ませた。すでに中に放たれていた精液とぬめりのお陰でそこは抵抗無く黒鋼を飲み込んでいく。
貫かれたファイは、すでに抵抗するだけの力など残ってはいなかった。
力ない声をあげ、すん、とすすり泣くように鼻をならす。
少しばかりの罪悪感に駆られ、今度は黒鋼が聞く番だった。
「幻滅したか?」
どれほど今まで大事にしてきたって、いざこんな風になってみれば何のことはない。
教師だとか、自制心のある大人だとか、そんなことをかなぐり捨ててファイを貪っていた。
女への欲情を隠しもしないその辺の男たちと変わらない。
自嘲がこみ上げた黒鋼だったが、ファイはそんな夫を見つめて小さく首を横に振った。
「幻滅なんかしない…」
不思議そうに瞬きを繰り返すファイの瞳は澄んだ蒼だった。
「だって、これからはオレだけだよね?」
懇願するように黒鋼を見つめる瞳はまっすぐな思いだけを宿して黒鋼を容易く射抜く。
「だからいいの」
気がつけば黒鋼は小さな唇に噛み付くようなキスを繰り返し、痛い、と小さな抗議の声が上がるのも構わずファイをきつく抱きしめていた。
結婚前はセックスなんて相手が違うだけでやることは同じようなものだと感じていた。
だが、こんな風に脳まで痺れてしまうような幸せに包まれて。そんな風に抱き合える相手がいるのだと、今更に思い知った。
体だけではけして味わえない幸福に満たされて、白く細い体を抱く。
細く頼りない、少し力を入れれば壊してしまいそうな体だった。なのに、どこまでも柔らかにその体は黒鋼を受け止める。
他にどんな人間がいようが構わない。
きっとこれから先求めるのは、心も体もファイだけだ。