[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
僕だけのかみさま、はしばしお待ちを…。次の休みには終ると思います…。
エロス成分頑張る。
急に寒くなったおかげで見事に腰を痛めました。
脆いよ、我が体ながら!
拍手ありがとうございます。
では下からどうぞー。
何故か唐突に夜中に目が覚めた。
同じ布団には双子の妹たちが並んで眠っている。けれど母親の姿が見当たらない。
こしこしと小さな拳で目を擦り、妹たちを起さないように、そっと布団を抜け出ると僅かに隙間の開いていた襖をそろそろと開けた。
そこに母親はいた。
「母上?」
寝間着に上掛けを羽織った母親はすぐに息子が目を覚ましたのに気づき、振り返る。
「起きちゃったの?」
音を立てないように息子の傍に歩み寄った母親は、自分の上掛けを息子の肩にかけた。
母親の柔らかな香りに包まれ、安心したのか、息子は小さくこくりと頷く。寒くないようにとそっと抱きしめてくれる優しい腕に、甘えたくなってぎゅっと寝間着の袖を握った。
いつも母親は妹たちの世話と巫女としての務めに追われているから、自分はしっかりしなければと言い聞かせてはいるが、やはり母親に甘えられるのは特別で嬉しい。
「母上、寝ないの?」
たしかに自分と妹たちが寝る時には添い寝をしてくれていた母親がまだ起きていたことに息子は首を傾げた。
「父上がね、もしかしたら帰ってくるかもしれないから」
だからもうちょっとだけ起きてようと思って。そう言って、月色の髪を揺らして母親が微笑む。
父親は領地の境目で起こった小競り合いを平定するために兵を率いて赴いている。
「父上いないと、母上は寂しい?」
眠たさに何度も目を擦りながら小さな息子は母親に尋ねる。そんな答えなどとっくに分かっていたのだけれど。
「うん、大好きな人がいないのは寂しいね」
そんなことをてらいもなく言ってのける母親の傍に父親がいないのは可哀想だ、思いながら、同時にそこまで母親に思われている父親のことが羨ましくもなって。そんな両親が大好きで、息子はぎゅっと母親にしがみ付く力を強くした。
「早く大きくなって、父上と母上のために俺も戦いたい。そしたら、父上ももっと母上のそばにいられるから」
目を見開いた母が、優しく頭を撫でるのに睡魔も深まる。
「ありがとう…」
いい子ね、という母親の声を聞きながら、眠りに誘われる。
早く、早く、父上が帰ってきますように。眠りにつきながら考えたのはそればかり。