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何人目かの彼氏に逃げられたホスト。
ちょっと携帯からはアップできない文字数になってたので、こんな時間にアップ。
今週は6勤なので次の休みまでが長いです…。
女体裏終ったから拍手御礼小話も更新したい、双子愛人もちゃっちゃかとまとめたい…。
あ、ネタ元様に許可とらんと…。
やりたいことは目白押しなのに何故私の休みは増えないんでしょうか!
拍手ありがとうございます。
では下からどうぞ~。
夜通しのバイトを終えて部屋に戻ってくると、なぜか扉の前に隣人が蹲っていた。
黒鋼に気がついた金色頭が、緩く持ち上がり、おかえりーと脳天気な声をあげる。
「あのねー、今日黒様のとこ泊めてほしいなー、なんて」
「…お前、男は?」
確か今の恋人と称する男が寝泊まりしていたはずだが、何故自分の部屋にファイが帰ろうとしないのか分からない。
ファイはバツの悪そうな顔をした。
「家財道具一式持って出ていっちゃったみたい~」
「はあ!?」
冷蔵庫だけは置いてってくれたよ、なんて笑えないことを平気で言うファイの首ねっこを掴み、黒鋼はファイを部屋に入れる。
ファイが付き合う男がろくでなし揃いなのはいつものこと。
今回の相手も好きなだけファイの財布を使った挙句に家財道具を持ち逃げしたらしい。
冷蔵庫が被害を免れたのは、中身がごちゃごちゃして迅速な持ち出しに適さなかったためだろう。
連絡すべきあてには全て連絡し終えたから、最低限の家財を買うまでの間でいいから屋根の下に置いて欲しい、とファイは言う。
常日頃さんざん手料理を馳走になってる手前もあるし、何より見て見ぬフリが出来るほど黒鋼は薄情にもなれない。
二人で有り合わせの食材で作ったラーメン鍋をつつきながら、黒鋼は不意に疑問に思ったことを聞く。
「別に俺の帰りなんか待たなくても良かったんじゃねえのか。
職場の人間か客に一言言えばもっと早く別のとこに落ち着けただろうが」
ファイは申し訳なさそうに傾げた。その表情が寂しそうに見えて、黒鋼は悪いことを聞いてしまった気分になる。
「…黒様を待ってたかったんだよー」
誤魔化しか本当かはどうでもよかった。ファイがそうしたい、と思える何かがあったのならそれで良いかと思う。
あったかいね、と鍋の湯気の向こうでこどものようにはしゃぐ声がした。